1月に入り当院でもインフルエンザの患者さんが急増しています。
新型なのか香港型なのか今はA型ばかりです。たった1回吸入すればいいタイプの新しいインフルエンザ薬も出ていますが、今シーズンは当院では採用を見送りたいと思っています。今のところ今までのインフルエンザ薬はよく効いているようですし。
一時期大きな話題となったタミフルによる異常行動ですが、最近はさっぱり話題にならなくなりました。厚生省の最終見解はインフルエンザ自体による異常行動の可能性もあるが10代の患者への投与は自粛すべしでした。
アメリカでは一応日本での10数名の異常行動による死亡例は報告されてはいますがあまり問題になっていません。
なにしろ海外ではタミフルによる異常行動や死亡例が皆無なんですからしかたないかもしれません。
タミフルのかわりに使用される吸入薬リレンザですが、これも全く安全というわけではありません。でもタミフルの異常行動による転落死が200万投与例に1例ですからインフルエンザ自体による死亡がはるかに多いということもマスコミは報道すべきでしょう。
どうもマスコミは分子は強調するけれども分母は無視というのが多いです。
個人的な見解ではインフルエンザ自体の異常行動もあるかもしれないが、インフルエンザ薬による異常行動も”ある”と考えます。
吸入薬だからといって安心せず、特に10代の患者は絶対に一人にせず、観察を怠らないということが大事だと思います。