愛知県尾張旭市の松尾医院|内科、循環器科、小児科、皮膚科

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2009/12/10 10mlワクチンバイアル問題

新型インフルエンザワクチンの接種が始まっていますが、国の統制下で行っていますのでいろいろな問題が生じています。

ワクチンは通常1ml入りの小さな容器に入っています。大人なら2名分、子どもでも3~5名分です。

今回、メーカー側の都合で、大容量のワクチンが強制的に必要量の6割がこのタイプで配布されることになりました。

この容器を主張したのは4メーカーのうちの1社であるにもかかわらず、ここに配慮される形で導入が決まったのです。メーカー側のメリットはなんといってもコストが安いことです。

医療機関のメリットは…、なんにもないです。季節性の2倍近い公定価格ですが、10mlバイアルは1mlバイアルのきっちり10倍の値段です。

普通、大容量だと、コストも安いですから安くなるのが普通ですよね?卸の薬屋さんの配達料も国が決めていて、10mlバイアルの配達料もきっちり10倍です。

もっと問題なのはまず、人数を集めて接種しないといけない上に余ったら廃棄処分になってしまうことです。

せっかくのワクチンが全国でどれだけ無駄になっていることでしょう。

当院では成人の接種の方に10mlバイアルを使用していますが子どもしか接種しない小児科では1本のバイアルに何十回も針を刺すわけですから、細菌混入などの可能性など安全面でも問題があるのです。

接種価格まで国が決めているのです。一律3600円です。

接種量が大人と子どもで違うわけですから、子どもは2500円程度が妥当でしょう。
ただ大人の接種価格は4000円以上でないと実は赤字なんですが。

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