確かに松村さんは、太っていましたが、狭心症として治療を受けていたわけではなく、運動もマラソンが初めてというわけでもありませんでした。
マラソン前にベルトコンベアの上を歩いてもらう方法で心臓の機能評価を行うことがあります。運動習慣のある人はこの検査ではほとんど血圧も脈拍も上がらず問題ないという結果がでます。
でもマラソンレベルまで検査を実験的に続けてみると血圧が200を超えてる人も意外に多いのです。
この血圧上昇と、脱水状態による血栓(血の固まり)のできやすさで45歳以上の動脈硬化年齢の方の心筋梗塞発症が多いと思われます。
少なくとも動脈硬化が始まる50歳を超える人のフルマラソンは危険と言わざるをえません。
高血圧、高脂血症、糖尿病などの持病がなくてもマラソンというスポーツでは心筋梗塞や、それに伴う突然死が多いのです。デブとかやせとかはあまり関係ありません。
松村さんの場合、心筋梗塞による心室細動という不整脈はAEDという電気ショックを与える器械で一命を取り留めました。個人的にはマラソンというスポーツは40歳以下に限定するなどしなければこのような事故は減らないと思います。
タバコを吸う萩本欽一さんが24時間マラソンで無事だったのは奇跡です。(ほとんど歩いていたから大丈夫だったのかもしれませんが…)
苦しいと思うようなスポーツは基本的に身体にはよくないのです。