愛知県尾張旭市の松尾医院|内科、循環器科、小児科、皮膚科

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2009/04/04 マラソンと心筋梗塞

先日の東京マラソンに出場して心筋梗塞による不整脈で一時心肺停止状態になったデブタレントの松村さんが無事に退院しました。

石原都知事に「あんなデブ出なきゃいい」とまで言われた彼にいったい何が起こったのでしょうか?

実際に僕が治療したわけでも人に聞いたわけでもなくあくまで推測の話です。

心臓のまわりを走っている直径2~3mmの細い血管を冠状動脈といいます。この血管が高血圧、タバコ、高脂血症、糖尿病などで動脈硬化というのが進むと血液の通り道が細くなります。

このため動いたりしたときに胸が苦しくなる病気のことを狭心症といいます。

冠状動脈が完全に閉塞した場合心筋梗塞となるのですが、狭心症がひどくなったものが心筋梗塞という単純な関係ではないのです。

狭心症という状態はかなり動脈硬化が進行しないと症状がでません。血管径の75%~90%の狭窄度、つまり血液の通り道が糸のように細くならないと症状は起きないのです。

心筋梗塞は、動脈硬化がまだ意外に軽い状態でも発症します。

血管径の狭窄度が30~50%と狭心症の症状が起きないような状態でも、その部分の血管の内側の膜がやぶれてそこに血の固まりが一気につまって100%閉塞してしまうのです。

今回のケースはあまり動脈硬化が進んでいなかった血管がマラソンによって心筋梗塞が誘発されたと考えます。そのメカニズムは…つづく。

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