臓器移植法が国会に提出されて成立するのに3年かかりました。
結局、臓器提供者の条件として、本人が臓器提供の意思カードを持っていて、さらに家族の承諾が必要という世界で一番きつい条件が課されることになったのです。
アメリカなどでは、本人意思が確認できない場合、家族の同意のみで提供可能、スペインなどは、臓器提供拒否カードを持っていないと、意志があるものとみなされるという制度です。
もちろん日本では小児の臓器提供も認められていません。
最近世界では海外で臓器移植をする日本人をしめだそうという動きがでています。アメリカでは臓器提供の5%は、臓器移植できない外国人のために枠があるのですが、数年前に日本人がその5%を独占しました。
募金を募ればすぐに億単位の金が集まるので、外国に渡る日本人が増えているのです。
ただ、一人移植されれば、その国の待機している患者が一人亡くなるのですからWHOも臓器移植は自国の提供者に頼るように勧告を出しています。
中国や東南アジアで、ヤミ臓器移植や臓器売買が行われていることを考えると近い将来、海外での臓器移植は閉ざされてしまうかもしれません。
他人の死を前提にした脳死下での臓器移植という医療は他人との調和や遠慮の文化である日本人の気質にはどうしてもなじまないような気がします。
今の法律では移植医療の発展性は望めませんから、iPS細胞(万能細胞)による再生医療に国はもっとお金を出すべきではないでしょうか。