愛知県尾張旭市の松尾医院|内科、循環器科、小児科、皮膚科

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院長ひとりごと

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2008/07/29 エクソシスト

この時期になると思い出すことがあります。研修医1年目、当直を月に8回くらいやっていました。

ある当直の夜、5人くらいの集団がセーラー服の一人の少女を連れて受診しました。少女はストレッチャーというベッドに寝かされていましたが、僕の呼びかけに答えず、何かうなっています。

と、その少女が突然、白目むいてとりまきの男性の一人に向かって、「○○(呼び捨て)、お前、なんてこと○×□…。(意味不明)」とどなりました。

首は回っていなかったですが、明らかに少女と思えない野太い声でした。その男性は少女に「ごめんなさい」と謝っていました。

とりまきの一人の女性が、呆然としている僕に、「彼女の祖父が先日亡くなったのだが、彼女は霊感が強く、祖父の霊が乗り移ってしまった。今しかられたのは彼女の父である。何をするかわからないから入院させてくれ」

と事情を説明してくれました。

納得したふりをしつつ僕はすぐ、一緒に当直していた上の先生に電話しました。しかしその先生は、「僕はそういうのだめだから勝手にしてくれ」と電話を切られてしまいました。

病棟に入院させる途中で少女が大声を出し始めたためとりまき達は少女を霊媒師のところに連れて行くと、結局入院せずに去っていきました。

これって医学的にはヒステリーの一種と診断するのが妥当だったのでしょうか。

ちなみに後で自称霊媒師が来たのですが、なぜか阪神の野球帽をかぶっていました。

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