健診の季節になりました。明らかに以前から高血圧を放置している患者さんに対して降圧薬の服用を勧めると、90%以上の患者さんは、’血圧の薬って一度飲み始めたらずーっと飲み続けないといけないんですよね?’とおっしゃいます。
確かに降圧薬を飲めば血圧は下がりますが、1錠飲んでも効果は2日と持ちません。
加齢とともに血圧は自然上昇もしますからなかなか血圧の薬をやめることはむつかしいと思います。高血圧は体質ですが、体質を変える血圧の薬は存在しません。
でも少ないですが血圧の薬を減量、中止できた患者さんもみえます。
血圧を薬でコントロールしつつ、運動、塩分制限の食事、禁煙で体質を変えてしまったのです。薬で体質は変えられませんが、ライフスタイルを改善して血圧の薬が増えないようにすることも大事です。
高血圧は200を超えるようなひどい状態でも何も症状ない場合もありますが、放置すれば、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞など前ぶれなく発症するかもしれない重篤な疾患を引き起こす、サイレントキラー(姿なき殺人者)なのです。
血圧が下がったからと勝手に中止してしまうのは最も危険です。